お前にとっての卵とは?
「お腹すいたー。ごはんお願いしまーす!」
と
朝から元気な息子。
しかし、
ゴミ箱を覗くと、
卵の殻が三つ。
ん?
我が家には、ゴミ箱が一つしかない。
それはね。
次男は、なんでも捨ててしまう。
大事なものも要らないものも。
区別がつかないのだ。
だから、台所に一つだけ。
以前。
頂いたみかんを全部捨てた。
腐ってるといって。
腐ってはいない。
だけど、
夏みかんだから、
息子は自分でむくことができない。
皮が固いからね。
洋服も捨てる。
虫がついてるといって。
私には、見えない。
でも、
俺には見えるという。
私は、ごみ箱から拾い
きれいに洗うと・・・
何事もなかったように着ている息子。
そして、
卵。
昨日の夜にはなかった殻。
「ねえ、この卵。どうやって食べたの?」
目が泳いでる。
「飲んだの?」
「飲んでないよ」
「じゃあ、どうやったの?」
「卵かけごはんにしたよ」
「どのお茶碗?」
目の前にある、適当なちゃわんを指さす。
「ふーん」
「いつ、洗ったの?」
「今だよ」
「濡れてないけど」
こうして、息子のうそは延々と続く。
卵を飲んではいけません。
私が決めました。
気持ち悪い。
蛇じゃないんだから。
やめて。
昔。
ばあちゃんがいた頃。
家の納屋に、アオダイショウが住んでいた。
ばあちゃんは、守り神様だからと、
生卵をよく、お供えしていたよ。
もしかいて・・・
なんか、あるのかな?
きっと、理由があるから。
聞いたけど、よくわからない。
「のどが潤わないから・・・」
全くもって、意味が分かりません。
恐るべし。
統合失調症。
で、
卵は、飲み物ではありません!
と、怒って。
終わり。
本人。
その時は、もうやらない!
とはいうけど・・・
しちゃうんだよね。
忘れるわけではなくて・・・
どうでもいいことだと思っている。
軽い。
その証拠に、ニヤッと笑う。
私は、息子にどうなってもらいたいのか?
普通に毎日が送れる人。
自分で生きていく力をつけてほしい。
きっと、
この病気はまだまだ、
何年もかかると思っている。
だけど、
病気になったのも自分。
治すのも自分。
私は、
そばで、
泣いたり怒ったりしながら、
見守ることしかできない。
私だって、病名こそないだけで
見えたり、聞こえたり、匂いもわかる。
いないはずの人が見えたり。
聞こえたね。
日光東照宮・・・
あそこでは、すごく位の高い人の声が聞こえた。
「近寄るな。これ以上、来てはならぬ・・・」
静かに。
地面の下のほうから聞こえた。
映像が、頭の中に見えたけど・・・
誰にも言えない。
歴史を漁って調べたけど・・・
私の見た事実とは、
違うから。
いつか、
わかる人に聞いてみたいと思っている。
言ってはいけない。
ことだと思っているから。
私も、息子も・・・
同じなんだと思う。
見える形が、違うだけ。


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