洞(うろ)

ひとり言

うろとは、木に穴が開いていて・・・

トトロが寝ているところ。

息子たちが通っていた保育園の駐車場の真ん中に大木があった。

その大木の根元にうろがあって、子供達はそこが大好き。

だいたいの子は、覗く。

大人だって覗く。

だって、トトロに会えるかもって思うから。

でもね、今朝。

その場所の隣にあるお寺に私は、行きたかったから。

駐車場に、車を止めさせてもらったの。

車をぐるっと一回り動かすと・・・

うろは、コンクリートで固められてた・・・

きっと、危ないから、

子供が入らないようにしてほしいか。

と。

保護者が言ったのかもしれない。

思い出の詰まっている大木。

そして、子供たちが大人たちが愛していた。

コンクリートで固められて・・・

寂しそうにしている。

だって、誰も近寄らないかもしれない。

うろがあったときは、小さいクラスの子供たちならすっぽりと入る大きさだった。

この大木が倒れたら・・・どうするんだ。

責任、とれるのか!

危険がないようにしろ。

そんな、保護者の声が聞こえる。

でも、

大木は、倒れないよ。

子供たち、大好きだから。

そうに、言っている。

うろを覗いている子供たち。

クリエイティブな発想が育つ大切な場所。

親子の気持ちが繋がるところ。

自然を大切に思う心が育つ場所。

そこを、塞いでしまったのだ。

きれいに整っている、保育園。

表面だけ。

「寂しい・・・」

見える穴をふさいだから・・・

大木の心には、大きな穴がぽっかり開いてる。

あの頃。

保育園にお迎えに行くとね、息子たちが駆け出してくると真っ先に向かうのが大木。

次男は、自分の作った泥だんご入れてたな。

みんなでかわるがわる、洞を覗いたり、中に入ったり。

笑顔で、笑いながら大木の周りを走り回り。

その様子を私だけでなく、他のお迎えに来ていた人たちも見守っていた。

みんな笑顔だった。

息子たちには、その姿を見せたくないなぁ。

きっと、悲しむもの。

洞を覗いて・・・想像を膨らませていた子供たち。

私だって、思ったもの。

違う世界に繋がっている穴だって。

思い出も一緒に閉じ込められてしまったような気持ちになった。

保育園側も・・・

閉じたくはなかったかもしれない。

洞は、子供たちの成長にとても大切だったから。

だけど、

保護者の子を思う気持ちを優先したんだと思う。

でもね、木は言ってる。

「僕は、倒れないよ。子供たち。大好きだから」

って。

木の話もちゃんと聞いてほしかったなって、思ったよ。

「また来るからね!」

私は、そうに声をかけて帰ってきました。

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