侵入・・・社員

介護

何しに、来たんだ。

おまえ。

出勤すると、工事の現場仕事をするような支度の男性がいた。

髪型も独特。

鶏を思い出す。

モヒカンなわけじゃない。

ただの寝ぐせのようだ。

今日は、何か工事があったのかな?

電気?

ガス?

水道?

それとも、内装の修理かな?

なんて、思っていた。

先に出勤している職員に、聞いた。

「今日は、何かあるの?」

「なんで?」

「だってさ、工事の人来てるじゃん」

「いや。あれ、違うよ。職員。」

「うそだー。だって、工事の人の作業着だよ。」

「今日から来た、派遣。」

ふーん。

ああいう人、初めて見た。

普通、介護だとトレーナーの人は、いるけどね。

あの、髪の毛は自分で切ってるのかな?

かなり変形してる、ウルフヘアー。

散切り、っていうのかな?

まだ、若そうだったけど。

息子と同じくらいにみえた。

そして、

昼食の時間。

私の検食をジーっと見てる。

(うまそう。食べたい…)

心の声が聞えてきた。

私、

検食なのをすっかり忘れて、

お弁当持ってきちゃったしね。

「食べて、いいよ。」

そいつは、目を丸くして、

「いいんすか?」

「はっー」

一口食べるごとに、味をかみしめていた。

そいつの持ってきたパンには、半額の見切り品シールが貼られていた。

(ちゃんと、飯を食ってないんだな。)

それは、分かった。

いつもなら、

お節介を焼きたくなるけど…

なんか、引っかかる。

そいつ、仕事しない。

そして、こともあろうに…

女性利用の介助にばかり、入りたがる。

ふーん。

介護の目的がそもそも、違うことに気が付いた。

だから、だ。

もう、何にもしてあげない。

私は、先回りて女性利用者の介助だけ行う。

「マイマイさん!!なんで、山田さんの介助はしないの?」

「飛ばしてるでしょ!」

「あっ…。ごめんね。忘れちゃった。」

と、ぼけたふり。

わかっとるわい。

わざとじゃ。

と、

心の声を隠しつつ、

「えへへ。許して~。お願い。おっ願い」

と、お願いダンス。

「いいですけどね。私は、あなたのテンションについていけません!」

ブー子よ。

お前には、わからない事じゃ。

山田のおじいちゃん。

男だからね。

侵入社員にやってもらえ。

あいつも男だ。

そして、その1週間後。

侵入社員。

大きなゴミ箱にロッカーの荷物一式持って、退場していった。

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