常磐ハワイアンセンター

ひとり言

いつのことだろう。

私がまだ、小学校に上がる前のこと。

思い出した。

幼稚園の年長さんだ。

私が6歳。

下の弟が4歳。

その下が1歳。

私の生まれた家は、毎年夏の旅行と冬の旅行に行く。

そういう習慣があった。

6歳の夏休み中のこと。

たぶん、お盆前後のことだと思う。

私の家族と父の友人の家族で、旅行に行った。

車、2台で。

いつもなら、旅館に泊まるのにその時は民宿。

私には、旅館と民宿の違いはわからなけど、泊まった部屋は布団部屋のようだった。

思い出すのは、むき出しに積まれた赤い布団がいっぱい。

そうだ。

最初に通された部屋がそこだった。

それとも、勝手に探検出かけてそんな部屋を発見していたのかもしれない。

この思い出は、赤い。

濃い桃色から赤い色。

夕方。

辺りが少し薄暗くなってから、二つの家族で外を歩いている。

真夏の薄暗い時間。

7時くらいなんじゃないかな?

父の友人の家族は、お父さんとお母さん。

私と同じ年の女の子がいた。

親同士は、同じ年だから話ができでしょ。

なんて、思っていたのだろう。

趣味も全く違うから、話しかけてもね、

「…。」

私は、自分の世界に入り歌を歌い踊りながら歩いていたと思う。

スキップしながら。

そうそう。

職場の廊下は長いから、誰もいないと時々スキップしてる。

昨日もしていた。

夕闇を歩いてついた先は、「常磐ハワイアンセンター」。

光輝いて見えた。

大きなステージには、スポットライトが当たりフラダンスをしている。

男性の火を使うショーもあったが、あまりよく覚えていない。

私は、女性たちがダンスをしているのに夢中になっていた。

ショーが中盤になり、「参加したい人、いますか?」

このショーに参加すると、女性たちが首から下げている花飾りがもらえるのだ。

私は、迷わず「はいっ!」と、手を上げていた。

壇上に一気に駆け上がっていたと思う。

私には、お姉さんたちが首から下げている「レイ」しか見えていない。

観客席は満杯。

立ち見の人もいるくらいだったのに。

壇上に上がっているのは、三人くらいだったかな。

大人の女性と小学生の女の子。

そして、私。

フラダンスを踊るお姉さんたちと一緒に踊った…とおもう。

最後に、念願「レイ」を首にかけてもらった。

親たちのいる席に戻ると、母は怒っている。

「勝手なことをして…恥ずかしい。」

と。

父は、笑っていた。

父の友人の女の子。

彼女が、「レイ」をみたら欲しくて仕方ない。

私は、壇上に上がる前に彼女を誘ったのだ。

「…。」

返事もなく、俯いていたんじゃないかな。

私は、彼女の首に「レイ」をかけて貸してあげた。

「常磐ハワイアンセンター」から、旅館までの帰り道。

その女の子と手をつないで、歌を歌いながら帰ってきた。

その晩は「レイ」を枕元に置いて寝た。

あの時の「レイ」も、濃い桃色のような赤い色だった。

家までの帰りは、その女の子と一緒に車に乗って帰ってきたような気がする。

だって、宝物になった「レイ」を家に着くまで彼女に貸してあげていたもの。

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