かわいかったなぁ。
いま、思い出しても涙が出てしまう。
小学3年生の時だった。
父がぶどうの箱を持って帰ってきた。
中を開けると…
小さな柴犬。
きりっとした顔立ち。
子犬ながら、風格があった。
血統書の名前は、
「紅しょうごう」
母犬の名前が、「紅子」
「べにこ」
来たばかりの日は、一晩中クンクンと泣いていた。
そして。
父が頼んでいた犬小屋が来た。
近所の大工さんに頼んだのだ。
だけど…
これは、私の想像。
父「今度、犬を飼うから犬小屋を作ってくれ。」
大工さん「あいよ。」
しかし…大工さんは思った。
どんな犬を飼うのか?
犬のサイズを聞いてない。
大工さん「まあ、いいか」
と。
でき上がって家に来た犬小屋。
畳の半畳より少し大きい。
そして、高さも1メートル以上はあった…。
私は、ナニコレ…。
きっと、でかければどんな犬種も大丈夫だと思ったに違いない。
そして、その犬小屋。
近所のお兄ちゃんたちの秘密基地になった。
犬小屋には、蚊よけの裸電球が一つぶら下がっていた。
夕方。
餌を持って犬小屋に行くと、子犬を抱えて犬小屋にお兄ちゃんたちがいる。
4人は、中にいたと思う。
秘密基地で楽しそうだったけど。
閉まっている門を乗り越えて、入ってきたんだよね。
田舎の家。
たいていのことは許される。
血はつながっていないけど、みんな家族みたいだから。
私は、笑ってしまった。
エサをお兄ちゃんたちにお願いして家に戻る。
犬の名前は「こたろう」
父が、決めた。
こたろうは、近所の人からもかわいがられた。
みんなからご飯をもらっているから。
コロコロに太っていた。
愛嬌たっぷり。
おねだり上手。
嬉しいと、石をくわえてくる。
太っているから、おしりもふってる。
目を細めて、鼻を鳴らして。
石をくわえてくる。
今でも、目に浮かんでくる。
「こたろう」
懐かしい…。
今度、会いに行くからね!


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