狸ではなくてムジナ

不思議

どっちもあまり変わらない。

埼玉県にムジナという地域がある。

たぶん。

よく覚えていない。

覚えているのは、ボロボロのTシャツと穴の空いた靴下。

私ね。

もしかしたら…。

化かされたんじゃないかと思う。

それも狸ではなくてムジナ。

そもそも、タヌキとムジナの違いがあよくわからないけどね。

納棺の為。

ムジナという地区に向かった。

すんごく曖昧な地図。

たどり着けるのか?

ナビに入れても…よくわからなくて。

気づけば同じところをぐるぐる。

困ったなあ。

と。

思っていた。

そんなときの私は、鼻が効く。

お線香のにおいを頼りに。

右へ左へ。

多分こっちと。

もう、地図はあてにならん。

とりあえず、納棺宅へ着いた。

待ち構えていたのは、住職だと思う。

今は夏。

住職といえば絽の着物を着ている。

私は、絽の着物が好きだ。

上品で。

何とも言えない。

しかし。

その住職は、私の期待をきれいに裏切った。

穴の空いた靴下。

Tシャツをきている。

しかも、Tシャツの襟はボロボロ。

着物で隠れると思ったのかな?

絽だからね。

スケスケ。

ボロボロも丸見え。

いくら納棺って言っても信じられない。

もう少し、きれいな格好で来いよ。

と。

思った。

あいつ。

本当に、人間なのかな?

私は、しっぽがあるんじゃないかと。

そればかり気になった。

納棺終わって、帰宅。

そもそも。

お線香の匂いを頼りにきたお家。

ここはどこ?

分からない。

だって、地図にないんだもん。

ぐるぐるしたら…

大きい道に出るかな?と。

ぐるぐるしてもでない。

元のところに戻ってしまう。

これは…。

やっぱり、騙されてる。

そう思った時、

やっと、大きい道に出た。

これで帰れる。

さっきまで、どこにいたのか?

もう、分からない。

もう、ここには…来ることないだろうな。

と。

その時、思ったはずなのに。

また、同じ地区でお呼びがかかった。

いた!

あの住職。

また来てる。

やっぱり、ボロボロの白いTシャツと穴の空いた靴下。

あれしか持ってないのかな?

そして。

もう、化かされない。

迷子になるものかと。

あの地区を出ることができた。

だけど、

自分がどこの家の納棺をしたのか?

もうわからなくなった。

私も方向音痴。

まあ、いいか。

と。

帰ってきました。

なんだろうね。

不思議な体験でした。

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