おまわりさん

介護

介護施設にはね、本当に色々な人がいる。

入居が決まると、居室の環境を整えるんだけどね、タンスとかテレビとかね。

入居担当が準備をするの。

今日は、私が担当。

入居者様を居室に案内して、家族と入居者様と話をしながら必要なものを準備する。

本日方は、老人ホームには似つかわしくない。

60代の男性。

Y様。

車椅子で来所。

話をしているとね、仕事がしたい。

歩けるようになりたい。

と、前向きなんだけど…食事は、「介助をして。」という。

ちょっと、気持ち悪い。

自分で食べられるのに、やらない。

そのことが私は、とても気持ち悪い。

介護とは、自分のできることは自分でやってもらうこと。

それは、その人の尊厳を守ることになるから。

私は、その人が自分でできる能力を奪いたくない。

だから、できないことはするけど、できることはやらない。

文句を言われても、やらない。

むしろ、人間は怒りのパワーのほうが強い。

怒りで歩けるようになることもある。

元気にもなる。

なんでなのかはわからないけど。

Y様も「ふざけるんじゃねーー!!!」と大変ご立腹になるが、私は、やらない。

自分で食べられるしね。

その、振り上げた拳。

そんだけ、手が動くじゃん。

私は、「良かったねー。それだけ手が動けば、ご飯食べられるね!」と、ニッコリ。

でね、Y様はスマホを持っているんだけど。

時々、おまわりさんをね、呼んじゃうの。

「おれのお菓子を取られた。」とか

「部屋に勝手に入ってくるやつがいる。」とか

おまわりさん、最初は2人で来ていたけど、つい先日は4人で来所。

しかも、いつも夜中。

Y様、難病と心の病気を持っている。

ここだけの話。

昔、どうやらあぶない薬を使っていたことがあったそうで…

その後遺症なんじゃないかなぁと思う。

心の病気。

入居されて、半年くらいたったころの事。

恋愛は男性女性、どちらも対象らしいことが判明。

お気に入りの男性職員。

女性職員。

どちらもいる。

お気に入りの男性職員の前では、Y様自身が女性のようになるとのこと。

「オレ、彼女いますから。マジ勘弁してください。」と、お気に入りの職員が言っていた。

ちなみに私は、お笑い担当なので。

変なこと言われても、スルー。

(やばいなー)って時は、ナースコールで職員を呼ぶ。

どんな時か?

目がらんらんとして、卑猥なことばかり言う時があるんだよね。

あんまり、聞いてないけど(笑)

これは、笑いに持っていけないと思った時。

「電話番号教えて。」とか、「ライン交換して。」とか。

「私ね、スマホ持ってないの。糸電話だから。」と切り返してみたものの、

油断して、腕をつかまれたりしたときね。

迷わず呼ぶ。

足音近づいてきて、ドアが空いた瞬間、腕を離され解放。

「失礼します。どうしたの?」と職員。

私は、「ごめんね。対応変わって。」と職員に声をかけて、一目散に退散。

戻ってきた職員に、事情を話すけど…話半分にしておく。

話におひれはひれがついて、大きくなるからね。

そんなY様、お菓子にご執心。

私、入居の時、引き出しがいっぱいあるタンスを貸出ししたんだよね。

タンスの中、全部、お菓子。

服はどこ?

備え付けのクローゼットの中に押し込まれえていた。

タンスの中は、お菓子の空袋も山盛り。

Y様。

最近よその施設へお引越し。

おまわりさん呼んじゃった事件で、妹さんが激怒。

数回、呼んでるので。

呼ぶたびに、おまわりさんは増えていく。

先日、無事に送り出し。

介護タクシーのお姉さんが美人だった。

「Yさん、めっちゃ美人が迎えに来たよ。良かったねー。」と。

Y様も最後の爪痕残そうと、介護職員、看護師に「電話番号、教えて。」と聞きまわっていたが、

「めっちゃ美人!」に、目はハート。

急に紳士になった。

「ばい、ばーい、元気でねー。」と皆でお見送り。

やれやれ。

入居して、1年半くらいかなー。

元気で過ごしていることを祈っています。

色々あったんだよ。

でもね、また今度、お話します。

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