何だか元気がない。
前のようなキラキラがない。
髪もぼさぼさだし。
どうした、カマキリ子。
私にかまを振りかざしてこないし。
他で、威勢をつけている様子も見られない。
そうか、わかった!
子分がいない。
ある理由で、休職中。
カマキリは、単独行動だから。
子分はいなくていいと思うだけど。
カマキリ子は違う。
女の子だから。
そう言えば、食事中も静かだ。
いつもなら、マウントとって話をしているのに。
そもそも、マウントとる相手がいない。
職場の愚痴。上司の不満。
相づち打って聞いていた人が、そういえばいないから。
どこでストレス発散しているのだろうか?
ちょっと心配になる。
そして、先日面白いことがあった。
「病院の先生が言うにはね」
と。
言い始めた。
「入居者様に寄り添ってあげることだ」
と。
今更、何言ってるの?
してなかったの?
よく、怒鳴ってたものね。
自分の気分で介護の仕事に手を出してたもんね。
で、
あいつら仕事しないという。
いやいや。
お前の跡始末。
大変なんだよ。
中途半端にするから。
そして。
意味、ちゃんと分かってるかな?
先生が言うには、先生が言うにはを連呼してた。
ふーん。
先生のいうことなら何でも聞くんだ。
じゃあ、先生に言ってもらおう!
私は、介護士だから先生と口を聞く機会はないんだけどね。
私のやり方に真正面からいつも反発していたカマキリ子。
今は、違うからなのかな?
ちょっと、つまらない。
らしくないからね。
調子こいて、図々しく、いつも通りのカマキリ子になってほしいです。
まあね。
成長したのかな?
よきことです。
カマキリ子。
少し前から、天敵登場。
ペコちゃん。
メガクリクリして可愛いんだけど…
カマキリ子には、なつかない。
むしろ、同じ仲間に見えるけど。
なんだろうね。
共食いするタイプ。
カマキリ子は先輩だから、ペコちゃん。
いうこと聞いてるような風に見える。
一応、相談している風。
ちょっと笑いながら、かわいく言う。
カマキリ子の眉間にイカリングマークが私には浮かんで見える。
「ちょっと、お前何かわい子ぶってるの?」
「私が、一番かわいいに決まってるでしょ。」
と言わんばかり。
ペコちゃん。
マスク美人。
マスクを外したら…そうでもない。
あれっ?
なんだ。
そういう顔だったのね。
と。
入居者のじいちゃんが言う。
「あの、美人の子。最近見ねえな。どこさいった?やめたんけ?」
と。
「あたしは?」
「何が?」
「美人じゃないの?」
と、聞いてみた。
「おめー、なにいっでんの?」
「そんなこと…。」
下を向いてぼそぼそ。
そこ!
一番聞きたいところなんですけど。
と、
じいさんをからかう。
そりゃあ、言いにくいよね。
30代と50代。
わかってるから、からかう。
いいけどね。
「お酒のおまけあげないもーん。」
なんて、言いながらもそんなことはすっかり忘れるから。
いつも通り。
じいちゃんは、ドキドキしながら私の顔色を伺う。
すっかり忘れてるから。
私は、いつも通りおまけなんだけどね。
ペコちゃん。
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