おやつの前に

介護

昼食が終わると、みんな仲良く並んでお昼寝。

保育園でよく見られる風景。

老人ホームも似たような感じ。

デーサービスには、畳の部屋がある。

そこに、布団を並べて敷いてあり、

並んで寝ている。

大人の方なので、となりが男性では嫌だとか。

端っこがいいとか。

中には、大衆浴場の休憩室みたいに、タオルを置いて陣取りしてる方もいる。

皆さん、夜眠れなくなるので30分から1時間位しか寝かせてもらえません。

そんな中、いつも並んで寝ていらっしゃるご婦人と、紳士。

女性の方はY様。

男性はI様。

Y様、「ころしてください。このコップに砂を入れてきてください。私はこれを飲みます。」と、よく左手でコップを差し出してきた。

右半身マヒの方。

そして、I様。

この方、元は警察の偉い人。

いつも、足を投げ出すように椅子にどっしりと座っている。

だけど…昼寝の時の寝言はいつも。

「助けてくれー。ころされるー。」と言っていた。

全力で、逃げてる感じ。

うなされていた。

「やくざに追われてるんだよ。」と。

先輩介護士が教えてくれた。

で、

「ころしてくれー。ころされるー。」と。

笑っちゃいけないと思うけど、昼寝のたびにコントが始まる。

狭い、デイサービスの部屋の中。

皆で、ぎゅっと部屋の中に押し込まれている感じだった。

この、言葉の掛け合いが始まると(またか…。)といった空気が流れる。

二人以外は、起きて自分の席へ戻ってる。

忘れてはいけない方がいらした。

ひとり、少し離れた所で寝ている方。

H様。

御年104歳。

朝は、お化粧してから朝ご飯を食べに来られていた。

真白な粉を顔に塗り、真っ赤な口紅を付ける。

(ばか殿もびっくりです。)

先輩介護士いわく「枕カーバーに付いた、口紅が落ちないのよね。」と。

だから、少し離れた場所はH野様専用の寝床。

彼女の趣味は、トイレットペーパーの芯を集めること。

トイレに大きなビニール袋があって、そこにコレクションの芯が沢山入っていた。

先輩は「捨てちゃだめだからね。」と、強い口調で教えてくれた。

なんのために集めていたのかは、わからない。

しかし、それを袋ごと捨ててしまった職員は、ずーーっとH野様から

「捨てた人。」として根に持たれていた。

「あの人がね、私のものを勝手に捨てたんだよ。」と。

ゆびを指して言われる。

トイレットペーパーの芯は、あっという間にたまる。

ペーパーを一回に使う量は、両手でクルクル20回は巻いている。

だから、この方、トイレットペーパーはシングルしか使わせてもらえない。

それでも、消費は他の入居者様を抜いて、トップだ。

部屋の四隅には、これが入った袋がいくつもあった。

コレクションしている入居者様は、どこの施設にもひとりはいらっしゃる。

そして、

H様の息子様が時々、施設に来られたが80代。

駅からタクシーで来る。

「おれのほうが先に行きそうだ。」と。

施設に来るたびに、言われる。

確かに、息子様よりH野様の方が元気そう。

H様は、車椅子に乗ってはいるけど、身の回りのことは全部自分でやる。

私が手伝うのは、入浴した時に背中を洗ってあげるくらい。

本当にすごい。

この人なら、200歳は生きそうだと思う。

息子様は、年相応。

むしろ、電車で来られる事が心配になるくらい。

心の中で思っても、口には出せない。

息子様。

施設の中をウロウロしていたら、「席についてくださいね。」と新人職員に声を掛けられていた。

そろそろ、3時になるのでおやつタイム。

三人に起きてもらって、リハビリ体操に参加してもらいます。

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