うな重

不思議

私は、つわりが酷かった。

上の子がお腹にいるときのこと。

妊娠8ヶ月。

相変わらずのつわり。

いつになったら、終わるの?

と。

妊娠9ヶ月に入って、やっと少しだけ落ち着いてきた。

母に「何か食べたいものがある?」と聞かれ答えたのが、ウナギ。

私のおじの家は、ウナギ屋さん。

3歳のころ、目の前で目打ちをして、ウナギの皮をはいでいるところを見てしまった。

びっくりして固まっていた。

そして、それがお重になって出てきた。

私は、食べることができなかった。

目打ちをする少し前まで、水槽に顔をくっつけてウナギが泳いでいるところを見ていたからだ。

(かわいい、泳いでる。)

私は、虫も蛇もカエルも動物もみんな好き。

それは、今でも変わらない。

ニヤッと笑ったおじが、うなぎを一匹掴んで、店の中に持っていく。

ウナギの水槽は、店の外にあった。

私は、それ以来、ウナギのタレご飯は食べるけどウナギは無理。

なのに…ウナギのお重が食べたいと思った。

炭火焼のウナギ。

小骨もピンセットで全部取ってあるので気にならない。

何しろ、生臭くない。

美味しい!と全部食べてしまった。

私は、臨月を迎えて無事に出産。

産後、産じょく熱が出て意識消失。

数時間後に目が覚めた。

お産は、命がけなんだということを身を持って知った。

子供が、幼稚園に通うようになった頃のこと。

おばが、うなぎを食べに連れて行ってくれたことがあった。

和食のお店だから、ウナギ以外にもメニューはあったけど。

子供はウナギに釘付け。

「これがいい!」

おばは、お重を頼んでくれた。

ものすごい勢いで食べたそう。

ウナギが好きなのは、私ではなく子供。

あの時、お腹の中で、

食べたくて仕方なかったのだと思う。

だって、それ以来。

私は、ウナギを食べたいと一度も思わないから。

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